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おすすめの本

 図書館員が選んで、タッキー816みのおエフエムラジオで紹介された本です

 *2007年11月以前に掲載したもの

「ぼくと1ルピーの神様」表紙画像

これがインドの現実!

 ヴィカス・スワラップの「ぼくと1ルピーの神様」という本を紹介します。
 貧しく孤独な青年ラム・ムハンマド・トーマスは、「ファイナル・アンサー」でおなじみの「クイズ・ミリオネア」のインド版に出演して、13の難問にすべて正解し史上最高額の賞金10億ルピーを獲得した。そんな彼がクイズで不正をしたという容疑で番組制作会社から訴えられ逮捕されるところからこの物語は始まります。
 孤児で学校にも通えず、本も読めなかったラム少年が難問に答えられるはずがない、不正を働いたに違いないと番組制作会社が訴えたのです。
 そこに突然現れたのが女性弁護士のスミタ。彼女とともに、なぜラム少年がすべての難問に答えることができたのか、答えを知っていたのかを13の質問順に振り返り、解き明かしていきます。彼は不正などしていない。ラム少年が全問正解できたのは、たまたまクイズの問題に、孤児として1人で生きてきた短い人生の中で経験したさまざまな出来事が出題されたからなのです。
 なぜ答えを知っていたかが語られていくうちに、インドのさまざまな問題が浮き彫りにされていきます。ずっと孤独でインドの貧しい生活の中で死と隣合わせに生きてきた少年の、残酷かつ優しさに満ちた物語です。

 

「ぼくと1ルピーの神様

ヴィカス・スワラップ/著
ランダムハウス講談社

 

「武士道シックスティーン」表紙画像

これぞ青春!

みなさん、学生時代にスポーツや音楽、恋愛などに夢中になった覚えはありませんか。そんな方におすすめの『武士道シックスティーン』は、青春を剣道にかける女子高生二人の物語です。
 愛読書は宮本武蔵の『五輪書』、剣道は生死をかけた真剣勝負という剣道一筋の香織。日本舞踊から転身し、「同じ和ものだから」という安直な理由で剣道を始めた早苗。性格も剣道に対する姿勢も正反対の二人が、中学最後の試合で出会います。その試合で剣道全国2
位の香織は、まったく無名の選手だった早苗に負けてしまいます。しかも、なぜ自分が負けてしまったのかも分からず。その悔しさを忘れられず、香織は早苗と同じ高校に入学します。けれども、ようやく出会えた早苗は勝ち負けにはこだわらないお気楽な性格で、さらに、香織に勝ったことさえもすっかり忘れていました。そんな二人の間には、衝突と修復を繰り返すうちに徐々に強い絆が結ばれていきます。
 お互いの実力を認めることで誰よりも理解し合える二人の関係は、やきもきする場面もありながら、最後には清々しい読後感を与えてくれます。また、剣道の魅力や武道としての奥の深さなども丁寧に描かれています。特にクラブに熱中した経験のある かたには、きっと青春時代を鮮やかに思い出させてくれる一冊になるはずです。(2007年10月)

 

「武士道シックスティーン

誉田 哲也/著
文藝春秋

 

「リトルプレスの楽しみ」表紙画像

わたしの本棚から、この1冊

図書館や書店で本を選ぶきっかけは何ですか?内容ですか?装丁ですか?それとも価格でしょうか?みなさんの大切な1冊はどんな本ですか?この本には一般の流通にはあまり乗らない、個性豊かなリトルプレス(小冊子)がたくさん集められて紹介されています。リトルプレスとは個人で発行し販売している本のことで、企画から製作販売までが、1人もしくは数人のスタッフで行われているものです。この本は2006年に出版されました。
 作者の柳沢さんは
12年前からフリーペーパーの作成をはじめ、7年前にリトルプレスの世界に飛び込まれたそうです。この本ではリトルプレスの内容によって、丁寧に分類され紹介されています。どの冊子も発行部数が限られているため、装丁はかなり手間のかかった個性的なものになっています。なかには折りたたんだ状態で傘の形になるものもあります。
 地域限定で出されている冊子には、路地裏にひっそりとあるようなお店が紹介されていたり、地元の有名人が取り上げられていたりします。一般に流通しているガイドブックより、役に立つ場合も多いのではないでしょうか。
 みなさんも街に出かけた時には、お店の片隅に置かれているリトルプレスやフリーペーパーを手にとって見てくださいね。あなたのアンテナにびびっとくる冊子に出会えるかも知れません。

 

「リトルプレスの楽しみ」

柳沢 小実/著
ピエ・ブックス

 

「母親に向かない人の子育て術」表紙画像

自分流子育てに拍手!

子どもと過ごすのは楽しいものですが、大人はそのパワーにぐったり、あげくは一日中小言ばかりで自己嫌悪に陥ってしまったなんてことはありませんか。そんな方にちょっとおもしろい子育ての本を紹介します。
 著者の川口マーン恵美さんは「人の世話を焼くのが嫌いで母親向きでない」ことを自覚している三人の娘の母。夫の国ドイツという異文化の中で、子育てに奮闘してきた著者の子育て方針は、「自分のことは自分で」「子育ては母親が一番楽な方法で、嫌なことはしなくていい」というもの。これだけ見るとなんだか勝手な親のようですが、自分でできるようになるまでの間はかなりの忍耐力をもって子どもたちを見守っておられたようですから、一から十まで世話を焼くより、ある意味では大変かもしれません。それに、嫌なことを無理してがんばったところで、冷静に考えると、実はたいして子どものためになっていない。その上に、母親の欲求不満が子どもや夫に飛び火しかねない。それよりも、得意なことや好きなことをしてやって、ご機嫌なお母さんでいたほうが家庭のためにいいのだという考えは、合理的であるとともに、自分をごまかさない潔さが感じられて好感がわいてきます。人の心の奥底に潜む本音が実に正直に、文章のあちこちに散りばめられているので、どきりとさせられつつも、ほっと肩の力が抜けて楽になってきます。
 また、三者三様の娘さんたちの個性あふれるエピソードも楽しく、現在のドイツの教育事情も知ることができるなどいろいろな面から興味深く読める本です。

「母親に向かない人の子育て術」

川口マーン恵美/著
文藝春秋

 

「迷産時代」表紙画像

産むべきか、産まざるべきか、それが問題?!

 少子化が問題だと言われて久しくなります。この『迷産時代』は、まさに現代の迷える出産をテーマにした短編小説集です。
 著者の宇佐美游(うさみゆう)さんは、
1962年青森県生まれ。モデル、商社OL、ネイルアーティスト等を経て、フリーライターとして女性誌などで活躍し、2000年に作家デビュー。40歳を過ぎて病気で入院した時、自分がなぜ出産しないのかを考えた事をきっかけに、この小説を書かれたそうで、女性の本音がリアルにかれています。
 子どもを産むことを迷っている6人の女性が主人公です。6人の共通点は出産の経験がない事。結婚しているが子どもはいらないと思っている人、不妊治療をしている人、独身の人など産んでいない理由は様々です。いつかは子どもを産みたいと思っていても出産にはタイムリミットがある。その時に後悔しても遅いけれども、子どもを産んでいる友達は大変そうだし……と産むことについての悩みは複雑で、簡単に結論が出せるものではありません。
 まさに今は、子どもを産むのに迷う時代だなぁと、考えさせられる一冊です。女性なら一度は悩むこの問題、男性の方も是非ご一読を。


 

「迷産時代

宇佐見游/著
双葉社

 

「使えるレファ本150選」表紙画像

調べる本をさがすのに最強のガイドブック

  レファレンスブック、略して「レファ本」とは調べものをするために使う事典類のことです。著者は、この「レファ本」という言葉を作った人物で、本書でもさまざまなジャンルから便利で汎用性の高い本をコンパクトに紹介しています。
 例えば、昔の駅弁や新聞購読の料金などを調べる時には『値段の明治大正昭和風俗史』のシリーズを紹介。また鶴は千年、亀は万年などと言いますが脊椎動物の記録された最長寿命を調べるには『理科年表』を紹介するなど 、経験に裏打ちされた筆者のセンスがうかがえる本が多数リストアップされています。
 その他にも食品添加物や精神医学の専門書から電子辞典に至るまで、14のジャンルから幅広い本が紹介されており、きっと役に立つ「レファ本」を見つけることができるでしょう。
 さらに『イミダス』・『現代用語の基礎知識』・『知恵蔵』の現代用語集3冊をよみくらべることにより、現代用語のキーワードを探し出すハイレベルなテクニックまで公開しています。
 さまざまな情報がとびかう昨今、頭のストレッチをはじめたいかたにおすすめの1冊です。

「使えるレファ本150選」

日垣 隆/著
筑摩書房

 

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作成者:箕面市生涯学習部中央図書館
作成:平成20年(2008年)1月31日
更新:平成20年(2008年)1月31日
期限:なし